TDK / 等々力の動物病院
Project
IKB/ 東急ステイ池袋

東急ステイ池袋
ホテル/リニューアル
設計 :株式会社UTAC建築設計事務所
施工 :株式会社東急Re・デザイン
写真 :株式会社UTAC建築設計事務所
>リニューアルの意味を考え直し、リニューアルによる価値創造へ
コロナ禍以降インバウンド数が単月過去最高を記録する中、全国的にホテル開発が活発化しています。
新築のホテルを建設するだけではなく、既存の建物をリニューアルする、新たにリブランディングするといった様々な開発手法によるプロジェクトが進行し、リニューアルという行為は単純に表層を新しくし設備を最新に合わせ更新することだけではなく、それ以上の価値を生み出す方法としてその求められる意義は変わってきていると考えます。 サービスの更新、機能の更新、空間の更新、それぞれが連動してリニューアルという一つの形を成す中で、本プロジェクトにおいてまずフォーカスしたのは部屋食を提供するステイモーニングという新しく始められてるサービスです。このサービスに連動する機能・空間が整理されていない現状を鑑み、客室をダイニング空間として計画し直すことで東急ステイでの新しい暮らし方 = 価値創造を目指します。
>シアターダイニング
空間を構築するにあたり、テーブルセット + ペンダントを核とした場を据えます。方向性を持たない自由なテーブル形状、移動しやすい軽い椅子、天板を照らすペンダント照明といった型をベースに、汚れに対しメンテナンス性を考慮した床材 = 塩ビタイル、食事へスムーズに向かうためのトレー棚、冷蔵庫 + 電子レンジ等を一括配置する什器を使い勝手良くレイアウトし客室空間は創られます。このダイニングは現代の住居空間におけるダイニングのように、食事に限らず仕事やおしゃべり、読書や物書きなど様々なアクションが行われるでしょう。テーブル = ステージを介して起こるこの空間は、まるで劇場 = シアターのようであり、2 羽のフクロウに見守られながらゲストのホテル時間が流れ出します。
>1F タウンダイニング
池袋西口にはグローバルリングや芸術劇場といった文化施設があり、更には歓楽街が見せる雑多で華やかな雰囲気もあります。街の要素を反映したシアターダイニングというコンセプトを客室=ホームダイニングから、1F= タウンダイニングへと展開します。サイズ・素材・形状が異なるダイニング空間が 3 種類配置され、それぞれのダイニング空間を包括する劇場の観客席のように円弧を描いたベンチシートをデザインし、前面道路側に大きく開いた開口を通して 1F 全体が池袋の街へ開かれたタウンダイニングを作ります。ベンチシートに設られた様々な書籍群、今後開催される本を通したイベント、デジタルサイネージを活用した、 にちたびプロジェクトとの連動、ガチャカプセルによるアートワーク、フクロウの足跡をデザインモチーフにしたサインなど、小さいスケールから大きいスケールに至る要素を幾十にも重ねて創られたダイニング空間からは様々な出来事が誘発され、生み出されていくことでしょう。 このシアターダイニングホテル = 劇場的ホテル空間が、新しいホテルでの暮らし方の一つとして、ゲストの、そして訪れた人々の記憶に残る体験になることを期待してます。
















